「走り・旬・名残り」で感じる季節の移ろい
10月~12月の間は、その時期の食材に合わせた調理方法で、 三段階の旬の味を楽しんでいただきたいという料理長のこだわりと気遣いを表現しています。
日本料理では食材の味わいの変化を「走り・旬・名残り」と表現します。「走り」は食材の出始めをいい、初物で季節の到来を先駆けて楽しみ、「旬」は最盛期、「名残り」は旬が過ぎた食材を惜しみながら余韻を堪能します。“太閤会席プラン”では「かぶら」「子持ち鮎」「甘鯛」を使った料理が時期により変化します。例えば「かぶら」のお料理は「走り」として小かぶらと名残り鱧をもち米などで揚げた“小かぶらと名残り鱧の豊年揚げ”を(写真右下)。「旬」は“風呂吹きかぶら合鴨ロースを添えて”(写真左下)。自家製チキンコンソメスープでかぶらをやわらかく焚き上げた、和洋渾身の一品で、甘辛い味付けの鴨の治部煮と共にいただきます。「名残り」は“かぶら蒸し(写真上)”。鯛とウナギ、生麩に擦り下ろしたかぶらをかけて蒸し上げます。かぶらの甘味とフワッとした食感が美味。 食材の変化によって生まれる「旬の出逢い」をぜひご堪能ください。
実り多き秋の食材に舌鼓! 1日3組限定のプラン
盛り付けも豪華でひと際目を惹く“焼き八寸”(写真1)。3日間じっくり煮込み有馬山椒をきかせた「名残り」の料理“子持ち鮎の有馬煮”を含む旬菜の盛り合わせです。「甘鯛」(写真2)のお料理は、時期ごとに若狭焼き、唐揚げ、昆布蒸しで提供します。椀物(写真3)は名残り鱧と旬の松茸を合わせ、菊花を散らした柚の香りが食欲をそそる一品。京都で培った技を活かし、素材の味を最大限に引き立たせたシンプルで繊細な味つけが楽しめる、料理長の腕が光るプランです。
神奈川のブランド牛を香り高いキノコとともに
地の食材にこだわった“元箱根プラン”では、新鮮な野菜や魚のほかに上質なお肉を提供しています。鮮やかで食感も新しいキノコたちが、収穫の宴を演出します。
今回“元箱根プラン”のメインは、色彩鮮やかで美しい“神奈川牛と彩キノコ松茸のすき焼き”。松茸をふくむ数種類のキノコと地元神奈川のブランド牛「生粋かながわ牛」を使用しています。神奈川県で育ったA5ランクの牛肉は、ひとくち噛むと口の中でホロリとほどけて溶けてしまうほどのやわらかさ。さらに、お鍋を華やかに彩る主役級のキノコにご注目。この時期だからこそ味わえる、キノコの王様「松茸」や中国で不老長寿につながる食材とされた珍味「さんごヤマブシタケ」、栄養豊富でスーパー健康キノコとも言われる「タモギタケ」など種類豊富なキノコたちは歯ごたえが抜群。食感と香り高い味わいを同時にお楽しみいただけます。 自然に囲まれた箱根にて、実りの季節ならではの味をぜひご堪能ください。
料理が奏でるハーモニーを心ゆくまで
料理をお出しする前の工程にも工夫を凝らした“元箱根プラン”。例えば“カニの甲羅蒸し”は、「ズワイガニ」と地元で製造している「たぐり湯葉」が主役。器に火をつけ、しばらく蒸しあげてからお召し上がりいただきます。静岡県の伊東沖でとれた「金目鯛」は姿造りに。皮目に塩をふり、提供する直前にあぶることで、皮と身の間にある脂の旨味が溢れだし、より美味しく召し上がっていただけます。卵白と醤油を合わせた、料理長特製の「泡醤油」とご一緒にどうぞ。
精緻なバランスで盛り付けられた ブランド牛の際立つ美味しさ
清水料理長がベストな焼き加減でご提供する“信州アルプス牛ステーキ”。 秋の味覚をふんだんに取り入れた和洋折衷の料理が登場します。
安曇野産や長野県産の食材を中心にしたメニューが楽しめる“信州グルメプラン”。 メイン料理の“信州アルプス牛ステーキ”は、多くのお客様が食後に「こんなにやわらかくておいしいお肉は初めて」と評価をくださる人気の一品。信州アルプス牛は長野県のブランド牛の一つで、和牛に近い霜降りの肉質と豊かな味わいが特徴です。お肉の焼き加減は、料理長が「一番おいしく味わえる」と太鼓判を押すミディアムでご提供します。さらにベストに仕上げるために、赤ワインまたはブランデーでアロゼして香り付け。付け合わせは、お肉をより柔らかくするといわれる舞茸やしめじを添えています。 深まる秋を思わせる盛り付けも美しい一皿をぜひご堪能ください。
信州の美味を再発見する珠玉のコース
肉厚の“信州サーモン手鞠寿司”や“薩摩豆腐”など美しく盛り付けた5種類の前菜から始まり、椀物は9、10月限定で“松茸の土瓶蒸し”を。多くの方に満足いただけるようにクセのない魚を用いた“鯛のポワレ”は、安曇野産のワサビを使ったクリームソースをアクセントにしています。揚げ物は、長野県産のハクレイ茸、アワビ茸、霜降り平茸の“木の子の天麩羅”で、秋の味覚をお楽しみいただきます。最後は盛り付けにこだわったデザートを。目で楽しい、食べておいしい料理をご賞味ください。